学校選び:公立かインターナショナルか?
- Angus Gore-Andrews
- 2024年2月2日
- 読了時間: 5分
更新日:8月7日

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子どもをどの学校に通わせるか?
我が家が地元の小学校を選んだ理由
子どもをどの学校に通わせるかは、どこに住んでいても親にとって重要な決断です。ただ、日本では少し事情が複雑になります。特に、家庭が国際的で、子どもをバイリンガルに育てたいと思っている場合はなおさらです。日本の教育は、文化や価値観、将来の可能性とも深く結びついていて、単なる進学先以上の意味を持ちます。
そこに「ハーフ」や「バイリンガル」の要素が加わると、日本でも海外でも活躍できるようなスタートを切らせたいという気持ちが強くなり、その分、選択はさらに難しくなります。
公立小学校に決めた理由
実は、うちの子どもたちは地域の公立小学校に通っています。そして、ありがたいことに、とても楽しく通ってくれています。この投稿では、なぜ私たち夫婦が公立小学校を選び、今もその選択を続けているのか、その背景や考えを共有したいと思います。
公立 vs インターナショナルスクールという議論
外国人向けの掲示板やFacebookグループでは、「公立 vs インターナショナルスクール」論争がよく話題になります。私の印象では、大きな論点は2つ。「お金」と「創造力を育てられるかどうか」でしょうか(たぶんその順番で)。
正直に言えば、私たちの場合は完全に「お金」でした。日本に引っ越してきた当初は、ゼロからの再スタートで、安定した収入もありませんでした。子どももまだ小さく(5歳と2歳)、高額なインターナショナルの幼稚園に通わせるという選択肢は最初からありませんでした。
それから8年、公立のまま育ててきて、今では本当に良かったと思っています。
これは言い訳?それとも安心材料?
こうして書いていると、「年間200〜300万円もするインターに通わせなかったことへの言い訳」みたいに見えてしまうかもしれません。でも、これを読んでいる方が、もし「公立にして大丈夫かな…」と迷っているなら、その不安を少しでも和らげられたら嬉しいです。
公立校の良さ
● 地域コミュニティとのつながり
これは一番大きなポイントです。日本では、近所の子どもたちがみんな同じ学校に通います。一緒に登校し、学校で学び、放課後も遊びます。
とてもシンプルなことですが、うちの子たちが仲の良い友だちをつくり、その子たちと一緒に育っていく姿を見られるのは本当に嬉しいことです。そして私たち親も、地域の他の保護者と自然に関係を築けています。
● 多様な価値観との出会い
インターナショナルスクールには多文化的な環境がある、とよく言われます。それは確かにそうですが、ここ大阪では外国人の数が少なく、実際には裕福な日本人家庭の子どもが多いようです。
私はイギリスの名門校・イートン出身なので、そういう環境にも理解がありますが(笑)、だからこそ、公立小学校のように、いろいろな家庭の子が一緒に過ごす環境の価値もよくわかります。
日本の公立校には、ある種の「平等さ」があり、私はそこにとても魅力を感じています。子どもたちが「リアルな社会」の縮図の中で育つことは、きっと将来の糧になるはずです。
● 日本の文化的な文脈を知る
私たちは今のところ日本を離れる予定はありません。ここが子どもたちの生活の基盤であり、根を張っている場所です。
うちの子たちは「日本人」であり、「イギリス人」でもあり、「マレーシア人」でもある(と、私は常に言い聞かせています)。でもいわゆる「サードカルチャーキッズ」ではありません。だからこそ、地元の学校に通い、地域社会にしっかり根付くことが自然だと思いました。
もちろん、親としては「日本らしさ」と「国際感覚」の両方を持って育ってほしいと思っています。とはいえ、時には「西洋的すぎて日本社会に馴染めない」「逆に日本的すぎて海外では通用しない」といった不安もあります。
ただ、うちの子たちはきっと日本で人生を築いていくような気がしています。そうであれば、公立校という選択は「堅実な道」であり、バイリンガルという強みが将来どこに行っても活きてくれると信じています。
● 金銭的な現実
公立校は基本的に無償です。これも大きな魅力。
私たちはその分の資金を、海外経験に使おうと考えています。つまり、「家族で楽しい海外旅行」や、「いつか子どもが海外で学ぶことを選んだ時の教育費」です。
今のところは、大学前後にギャップイヤーを取ったり、大学院で海外に行ったりできたらいいな…くらいの構想ですが、あくまで子ども次第です。今は、そういう選択肢もあるよ、という「種まき」の時期です。
公立校の懸念点
● 英語力の維持
一番気になるのは「英語力」です。うちの子たちは、日本語で話し、読んで書く方が圧倒的に楽なんです。英語の読み書きを好きになってもらうのは、いまだに大きなチャレンジです(これはまた別の投稿で書きたいテーマです…)。
とはいえ、土台はしっかりしているので、いざ英語圏に行っても問題なく対応できると思います。私の役目は、英語への興味をどう持続させるか。その取り組みは今後も続きます。
● 創造力が育たない?
もう一つの懸念は、「日本の公立校では創造力が育たないのでは?」という声です。
正直、うちの2人を見ている限りでは、まだ判断がつきません。でも、好奇心もあるし、自分の意見をしっかり言うタイプ(特に上の子)なので、あまり心配はしていません。
ただ、創造力を育てるには、学校任せではなく、親の関わりも必要だと思っています。家庭でもできることを模索していきたいですし、その過程もいずれ共有したいと思っています。
最後に
うちの子たちは、地域の学校でのびのび育っています。友だちを作り、地域とつながり、自立しながらも他者を思いやれる存在へと成長しています。
それだけで、私たちは十分に満足しています。


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